確認申請では、法規に適合した図面を作れば、それだけで審査がすんなり進むとは限りません。
実務では、同じ建物でも質疑が少ない図面と、何度も訂正や確認を求められる図面があります。その違いは、作図技術そのものよりも、図面一式の「整え方」に表れます。
PRACTICAL CHECK POINT
確認申請では、一枚の図面だけを単独で見るわけではありません。
配置図、平面図、立面図、断面図、求積図、仕上表、構造関係図面、申請書などを相互に照合しながら審査します。
そのため、平面図では窓を変更したのに立面図では以前のまま、求積図の寸法と平面図の寸法が違う、立面図と断面図で建物高さが違う、といった不整合があれば、それだけで質疑の原因になります。
「一枚ごとに正しい」だけでは足りません。
図面一式として、同じ建物を表現していることが必要です。
法規に適合していても、その根拠が図面上に表現されていなければ、審査側は判断できません。
採光、換気、排煙、防火、避難、道路、建物高さ、斜線制限など、確認申請では多くの項目について根拠を確認します。
設計者本人の頭の中では成立していても、「この数値はどこから出たのか」「どの寸法を使って計算したのか」が図面上で追えなければ、審査側から見れば確認事項になります。
数字を書くのではなく、
「なぜその数字になるのか」まで追える図面にする。
申請図面は、情報量を増やせばよいわけではありません。
必要な寸法、凡例、法規情報、計算結果が複数の図面へばらばらに配置されていると、審査する側は何枚もの図面を行き来しながら内容を確認することになります。
審査側が「どこを見れば確認できるのか」を迷わない図面は、それだけでも質疑を減らしやすくなります。
申請図面では、
「設計者に分かる」より「第三者がすぐ分かる」が重要です。
確認申請図面で特に注意したいのが、修正による連動漏れです。
例えば窓を変更すると、平面図だけでなく立面図、採光計算、換気計算、建具関係などにも影響します。
建物形状を変更すれば、建築面積、床面積、求積図、配置図、申請書まで影響する場合があります。
「どこを直したか」ではなく、
「その変更がどこまで影響するか」を考える。
CADを操作できることと、確認申請に使える図面を作れることは同じではありません。
申請図面では、建物の内容、法規、図面相互の関係、修正による影響まで理解したうえで作図する必要があります。
複数人で作業する場合には、担当者ごとに表記方法や情報量が変わることで、図面全体の統一感が崩れることもあります。
図面の品質は、作図速度ではなく、
最終的に「一式として整っているか」で判断する。
THE CLEAR LINE
確認申請で質疑を完全になくすことはできません。
建物条件や審査機関、担当者によって確認される内容が異なる場合もあります。
しかし、審査する側が迷わず、図面上で根拠を追い、図面同士を照合できる状態まで整理しておくことはできます。
ここが、確認申請図面としての一つの「クリアライン」です。
確認申請図面で重要なのは、単に必要な図面をそろえることではありません。
図面同士が整合し、法規上の根拠が読み取れ、修正内容が正しく反映され、審査側が迷わず確認できる状態まで整理されていることが重要です。
「描いてある図面」から、「確認できる図面」へ。
その差が、確認申請の進み方にも表れます。
大工のおっちゃん工房では、確認申請図書の作成、用途変更に伴う法規検討、既存建物の図面作成、構造検討などに対応しています。