中古住宅に入った瞬間、においが気になることはありませんか。
実は現場職人も、家のにおいから湿気・雨漏り・排水・床下の状態を確認しています。
リフォーム前に見ておきたい、においの種類と注意点を一級建築士の視点で解説します。
中古住宅に入ると、においって気になりますよね?
・玄関を開けた瞬間に、なんとなく湿っぽい。
・古い家独特のにおいがする。
・押入れを開けるとカビ臭い。
・水回りの近くで下水のようなにおいがする。
中古住宅を見に行ったとき、間取りや広さ、外観はもちろん大切です。
でも実は、家に入った瞬間の「におい」も、とても大切な確認ポイントです。
そしてこれは、一般の方だけが気にしているものではありません。
現場職人や建築に関わる人間も、家のにおいはかなり気にしています。
なぜなら、においにはその家の状態が出ることがあるからです。
中古住宅に入ったとき、現場職人はただ「臭いな」と感じているだけではありません。
・このにおいはどこから来ているのか。
・湿気なのか。
・床下なのか。
・雨漏りなのか。
・排水なのか。
・長く閉め切っていたことによるものなのか。
そういったことを、感覚的に確認しています。
もちろん、においだけで家の状態をすべて判断することはできません。
ただ、家に入った瞬間の空気や違和感は、その家が出しているサインであることがあります。
特に中古住宅をリフォーム前提で考える場合、においの原因によって、
必要になる工事や費用が大きく変わることがあります。
中古住宅でよくあるのが、カビ臭いにおいです。
押入れ、北側の部屋、洗面所、床下まわりなどで感じることがあります。
カビ臭さの原因として考えられるのは、
・換気不足
・結露
・雨漏り
・床下の湿気
・押入れ内部の湿気
・北側の壁や収納内部の湿気
などです。
表面的なカビであれば、内装のやり替えや換気改善で対応できる場合もあります。
ただし、壁の中や床下、構造材まで湿気が回っている場合は、簡単なクロス張替えだけでは解決しないこともあります。
中古住宅でカビ臭さを感じたときは、どこから臭っているのかを確認することが大切です。
玄関や和室、床下点検口の近くで、土っぽいにおいや湿ったにおいを感じることがあります。
この場合は、床下の湿気や建物まわりの水はけが関係していることがあります。
特に古い木造住宅では、床下の通気が十分でなかったり、地面からの湿気が上がってきていたりすることがあります。
注意したいのは、湿気が多い家では、木材の腐れやシロアリのリスクも高くなることです。
においだけで判断はできませんが、床下の湿気を感じるような家は、
リフォーム前に床下の確認をしておきたいところです。
キッチン、洗面所、浴室、トイレの近くで下水のようなにおいがする場合もあります。
原因としては、
・排水トラップの水切れ
・長期間空き家だったことによる乾燥
・排水管の劣化
・配管まわりの不具合
・床下配管からのにおい
などが考えられます。
単純に長く使っていなかっただけで、水を流せば改善する場合もあります。
しかし、配管が古くなっていたり、排水まわりに不具合がある場合は、
設備交換や配管工事が必要になることもあります。
水回りのにおいは、リフォーム費用に直結しやすい部分です。
築年数の古い家では、古い木材や畳、押入れのにおいがすることがあります。
これは、ある程度は築年数相応のにおいとも言えます。
ただし、単なる古さのにおいなのか、湿気を含んだにおいなのかは分けて考える必要があります。
古い木のにおいだけなら、内装や換気の改善で雰囲気が変わることもあります。
しかし、押入れの奥が湿っていたり、畳の下に湿気がある場合は、
下地まで確認した方がよい場合があります。
中古住宅では、前の住人の生活臭が残っていることもあります。
特にペット臭やタバコ臭は、クロスだけでなく、建具、床材、天井、押入れ、
下地材にまで染み込んでいることがあります。
表面のクロスを張り替えれば消えると思われがちですが、場合によっては床材や建具、
下地まで手を入れないと残ることがあります。
リフォーム後に「まだにおいが残っている」ということにならないよう、内覧時点で確認しておきたい部分です。
意外と注意したいのが、芳香剤や消臭剤のにおいが強い家です。
もちろん、売主さんや不動産会社が気を使って置いているだけの場合もあります。
ただ、元々のにおいを隠している可能性もゼロではありません。
玄関や水回り、収納の中などで不自然に強い香りがする場合は、少し注意して見てもいいと思います。
大切なのは、良い香りがするかどうかではなく、元の家の空気に違和感がないかどうかです。
中古住宅のにおいは、単なる印象の問題ではありません。
原因によって、必要になるリフォーム内容が変わります。
たとえば、クロスや畳の張替えで改善するにおいもあります。
一方で、床下の防湿対策、換気改善、排水管の交換、雨漏り補修、
腐朽部分の補修が必要になる場合もあります。
つまり、においの原因によって、リフォーム費用が大きく変わるということです。
見た目はきれいでも、家に入った瞬間に違和感がある。
価格は安いけれど、どこか湿っぽい。
そういう場合は、購入前に一度立ち止まって考えた方がいいかもしれません。
中古住宅を探していると、周辺相場より安い物件に出会うことがあります。
もちろん、売主さんの事情や立地条件など、価格が安い理由はいろいろあります。
ただ、建物そのものに何かしらの手直しが必要で、その分価格に反映されている場合もあります。
その違和感は、図面や写真だけでは分かりません。
実際に家に入ったときの空気、湿気、においで分かることもあります。
においがするから悪い家、というわけではありません。
リフォームで改善できるものもたくさんあります。
ただし、そのにおいを消すために、どこまで工事が必要なのか。
そこを見ないまま購入してしまうと、あとから想定外の費用がかかることがあります。
中古住宅を見るとき、多くの方は築年数、広さ、間取り、価格を気にします。
それはもちろん大切です。
ただ、それと同じくらい、家に入った瞬間の「におい」も大切な確認ポイントです。
・カビ臭いのか。
・湿気っぽいのか。
・下水のようなにおいなのか。
・古い木や畳のにおいなのか。
・生活臭が残っているのか。
においには、その家の状態が表れていることがあります。
中古住宅をリフォーム前提で考えるなら、間取りや外観だけでなく、家の空気やにおいにも注意してみてください。
・相場より安い家には、安い理由がある場合があります。
・その理由がリフォームで解決できるものなのか。
・それとも、思った以上に費用がかかるものなのか。
家に入った瞬間の違和感は、意外と大事な判断材料になります。