インバウンド旅行者が増える中で、旅館業を始めたいという相談が増えて
います。
しかし「安上がりのリフォーム」でスタートすると、良い口コミが得られ
ずに失敗するケースが後を絶ちません。
この記事では、口コミを得るために必要なポイントと、安上がりリフォー
ムがなぜ危険なのかを建築士の視点で解説します。
口コミが宿泊業の成否を決める
宿泊予約サイトやGoogleマップでは、口コミ評価が予約数を大きく左右し
ます。
特に海外からの旅行者はレビュー文化が強く、清潔さや快適さを細かく評
価します。
星が高ければ自然と集客が安定し、低ければ価格を下げても予約は伸びま
せん。
良い口コミを得るために大切な要素
まずは何よりも清潔さです。水回りや寝具が整っていることは最低条件で
す。
次に快適さです。断熱や防音が不十分だと「眠れない」「寒い」といった
不満につながります。
さらに日本らしい体験が求められています。和モダンな内装や畳、庭の演
出などは、外国人旅行者にとって特別な価値になります。
多言語対応も高評価につながります。案内表示やチェックインが分かりや
すいことが安心感を与えます。
最後にホスピタリティです。小さな気遣いや地域の情報提供などは「最高
の体験」という言葉で口コミに残ります。
安上がりリフォームが失敗する理由
表面をきれいに見せるだけの改修はすぐに劣化します。クロスが剥がれ
る、床が傷むと「写真と違う」という評価になります。
水回りを軽視すると致命的です。古い浴室やトイレは「不潔」と判断さ
れ、宿の印象を一気に下げます。
断熱や防音を削れば「暑い」「寒い」「うるさい」といった悪い口コミに
つながります。
さらに消防設備や耐震補強を怠れば、そもそも営業許可が下りない場合す
らあります。
建築士からのアドバイス
安く始めたい気持ちは分かりますが、結局は清潔さや快適さが確保できて
いない宿は長続きしません。
口コミで高評価を得るためには、適正な改修とデザイン性の両立が不可欠
です。
安上がりではなく「清掃のしやすさ」「快適に過ごせる性能」を備えた計
画が、結果的にコストを抑える近道です。
まとめ
インバウンド旅行者に良い口コミをもらうために大切なのは、清潔さと快適さ、そして日本らしい体験の提供です。
安上がりリフォームは短期的には安く見えても、悪い口コミが積み重なれば集客ができず失敗に直結します。
当工房では、旅館業の用途変更、耐震診断、そして清潔さと快適性を重視したリフォーム計画を提案しています。