最近、都内(新宿・台東・墨田区など)で、行政指導を受けた「違法民泊物件」が市場に安く流れるケースが増えていま
す。いわゆる「たたき売り」状態です。
一見、旅館業への参入を目指す人にはチャンスに見えますが、そこには「天国」と「地獄」の分かれ道があります。本気
で検討されている方へ、その裏側を公開します。
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1. なぜ「たたき売り」が起きるのか?
2025年現在、自治体のAIパトロールや住民通報が激化しています。無許可で運営していたオーナーが行政指導を受け、収
益が突如ゼロになり、ローンの返済に窮して「パニック売り」をするのが主な理由です。
こうした物件は、相場より20%〜40%ほど安く出回ることがありますが、安いのには必ず「致命的な理由」があります。
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2. たたき売り物件を買う「メリット」
リスクを承知で動ける人には、以下の魅力があります。
● 圧倒的な取得コストの低さ 違法履歴がある物件は、銀行融資がつきにくいため、一般の投資家が敬遠します。現金買い
を武器にすれば、大幅な値引き交渉が可能です。
● 内装・什器の流用 民泊として使われていたため、家具・家電やリノベーション済みの内装が残っている「抜き殻」状態
が多いです。これらを活用できれば、初期投資を数百万円単位で浮かせられます。
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3. 待ち構える「致命的なリスク」
しかし、飛びつく前に以下の「3つの壁」を直視してください。
【壁その1:旅館業法のハードル】
違法民泊の多くは「住宅」として作られています。旅館業(ホテル・簡易宿所)として許可を取るには、窓の面積(採
光)、避難経路、消防設備(スプリンクラー等)が基準に満たないケースが多く、追加改修に1,000万円以上かかることも
珍しくありません。
【壁その2:自治体ごとの独自ルール】
● 新宿区:住居専用地域での営業制限が最強クラス。金土以外は営業不可というエリアも多く、転換しても収益が出ない
場合があります。
● 台東区:小規模物件でも「対面での本人確認」を強く求めるなど、運営コストが上がりやすい傾向があります。 ● 墨
田区:条例で近隣住民への説明会が義務化されており、前オーナーが近隣と揉めていた場合、開業の合意を得るのが極め
て困難です。
【壁その3:マンション管理規約】
分譲マンションの一室の「たたき売り」は最も危険です。民泊を禁止しているマンションの多くは、
旅館業も禁止しています。
また、構造上、一室だけをホテルに用途変更するのは物理的に不可能なケースがほとんどです。
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4. 再生コストのリアルな目安
物件が安くても、以下のコンプライアンス化コストが必要です。
・建築確認申請などの手数料:約80万〜150万円
・消防設備の追加工事:約100万〜300万円
・内装の防火対応:約50万〜200万円
・フロント(帳場)の設置:約50万〜150万円 合計で300万円〜800万円程度の追加投資を覚悟しなければなりませ
ん。
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5. まとめ:お宝に変えられるのは「知識」ある者だけ
「安物買いの銭失い」になるか、「お宝物件の再生」になるかは、物件の表面価格ではなく、「法的に適正化するための
コスト」を正確に見積もれるかどうかにかかっています。
購入前に必ず、以下の3点を業者に確認してください。
・その物件で旅館業の許可が100%取れるか?
・ 建物に「検査済証」はあるか?
・過去に近隣からの通報やトラブルはなかったか?
これらに明確な回答がない物件は、どんなに安くても手を出すべきではありません。