海外資本の「マンション投げ売り」が加速?2025年最新動向と物件の行方

2025年12月24日 14:54
カテゴリ: 最新情報コラム

昨今、ニュースやSNSで「海外資本が日本のマンションを捨て値で売却して

いる」という話題を耳にすることが増えました。なぜ彼らは手放すのか、そ

してその物件はどうなっていくのか。不動産市場の最前線から、その実態を

解説します。

1. なぜ「投げ売り」が起きているのか?




海外投資家が売却を急ぐ背景には、日本の不動産価値以外の「外部要因」が大きく関わっています。


・中国の不動産不況と資金回収: 中国国内のバブル崩壊により、現地の開発業者や個人投資家が深刻なキャッシュ不足に  

 陥っています。借金返済や事業継続のため、海外資産(日本物件)を安値で即金化する動きが強まっています。


・欧米の金利上昇による戦略変更: 米欧の金利上昇に伴い、借入(ローン)で運用していた投資家の返済負担が増加。

 「利益が出ているうちに売る(利確)」、あるいは「損失を最小限に抑えて撤退する」判断が下されています。


・ファンドの運用期限: 投資ファンドには「出口(クローズ)」の期限があります。期限が来れば、相場の良し悪しに関

 わらず現金化しなければならないという内部事情も一因です。



2. 投げ売りされた物件の「3つの行方」




① 日本国内業者による「バルク買い」と再販


マンション一棟や数百戸単位の物件は、日本の不動産デベロッパーがまとめて買い取ります。


その後: 業者がリノベーションを施し、一般向けに「市場価格」で売り直します。結局、エンドユーザーが直接安く買え

る機会は少なく、業者の利益に吸収される形が一般的です。




② 新たな海外資本への「バトンタッチ」


円安を背景に、「中国系が手放したなら、今が買い時だ」と判断したシンガポール、アメリカ、中東系の資本が新たに買

い取ります。

その後: 所有者の国籍が変わるだけで、賃貸物件としての運用は継続されます。




③ 管理不全・スラム化のリスク

買い手がつかず放置された場合に起こる、最も深刻なケースです。



その後: 所有者不明や管理費の滞納が続くと、建物の維持管理が困難になります。これは資産価値の暴落だけでなく、周

辺環境の悪化にもつながる社会問題として懸念されています。




3. 市場全体への影響:暴落は起きるのか?




結論から言えば、「特定のエリアを除き、都心全体の暴落には至りにくい」というのが多くの専門家の見解です。

項目(エリア・物件種別)影響の度合い理由
都心タワーマンション軽微 需要が非常に高く、

安くなればすぐに別の買い手(実需層・国内投資家)がつくため。
郊外・地方の投資用物件深刻 実需の需要が弱いため、

一度投げ売りが始まると価格維持が難しい。
中古マンション相場限定的 供給絞り(新築価格の高騰)の影響で、

中古の価値が下支えされている。

4. 検討・購入時の注意点




もし市場で「異様に安い物件」を見つけた場合、以下のリスクを必ずチェックしてください。


管理費・修繕積立金の滞納状況: 海外所有者が長期間滞納している場合、購入後にトラブルに巻き込まれる可能性があり

ます。



住民の属性と稼働率: 投資家ばかりで実際に住んでいる人が少ないマンションは、管理組合が機能していないリスクがあ

ります。



まとめ





海外資本の撤退は、見方を変えれば「日本の不動産が適正な所有者の手に戻る過程」とも言えます。

しかし、管理不全物件などのリスクも潜んでいるため、価格の安さだけで判断せず、物件の背後にある「理由」を見極める

ことが重要です。



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